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【スタートアップのためのビジネスモデル特許図鑑17】~マイナンバーカードと診察券~

 スタートアップ企業は、ソリューションを提供する領域において、知財を用いて事業にドライブをかけることが必要です。実際、スタートアップ企業の経営者から知財についてご相談を受ける際は、自社のビジネスモデルを特許として保護できないか?という内容がとても多いです。

 特許になるアイデアというのは、「複雑なアルゴリズム」ではなく、「新しい発想」なのです。ただ、このようにご説明しても、実際のイメージが掴み辛いと思います。そこで、当ブログでは、不定期ではありますが優れたビジネスモデル特許を紹介していこうと思います。

「え?こんなのも特許になっているの?」

「自分のアイデアも特許になるかも?」

 と思っていただければ幸いです。

特許第6635824号(グローリー株式会社)

【発明のポイント】

 マイナンバーカード、又は、診察券を用いて、受付を行う。

公報リンク

特許第6635824図6

 【特許使用の製品/サービスの有無】

 医療機関の受付機の開発をしている企業さんですが、実施の有無は不明です(参考リンク)。

【請求項1】
 患者に関する情報から構成される患者情報(個人情報・保険証情報)を、前記患者を一意に識別するための識別情報(診察券情報)と関連付けて記録する記録手段と、
 国民1人1人に割り振られたユニークな番号である固有番号(マイナンバー情報)、及び、前記識別情報(診察券情報)のうちの一方を取得する受付手段と、
 前記識別情報(診察券情報)に基づいて、前記記録手段から前記患者情報(個人情報・保険証情報)を読み込む読込手段と、
 前記受付手段により取得された前記固有番号(マイナンバー情報)を前記識別情報(診察券情報)と紐付けると共に、前記読込手段により読み込まれた前記患者情報(個人情報・保険証情報)を更新する更新手段とを備え、
 前記受付手段は、
  前記固有番号(マイナンバー情報)と前記識別情報(診察券情報)との紐付けが未実行の場合、診察を申し込んだ患者を識別するための受付情報として、前記識別情報(診察券情報)を取得する一方、
  前記固有番号(マイナンバー情報)と前記識別情報(診察券情報)との紐付けが実行済の場合、前記受付情報として前記固有番号(マイナンバー情報)を取得する患者情報管理システム。

※( )内は、あなたの知財部が追記

コメント:

 昨今話題になっている、マイナンバーカードに保険証機能を導入するのに関連した発明です。本発明は、マイナンバーが普及することをにらみ、2016年に出願されています。

 病院では、現在、「診察券&保険証」を提示していますが、本発明を用いれば「マイナンバーカード」のみを提示すれば診察を受けることが出来るようになります。興味深いのは、診察券とマイナンバーカードが併存すると見込んで、どちらが提示されても診察を受けられるようなシステム構成を発明と捉えている点にあります。変化の過渡期ではこのように、似た機能を持つものが併存するため、その変化点について特許を取得するという考え方はとても参考になるかと思います。

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