【スタートアップのためのビジネスモデル特許図鑑6】~店舗(レストラン)の自動予約~
スタートアップ企業は、ソリューションを提供する領域において、知財を用いて事業にドライブをかけることが必要です。実際、スタートアップ企業の経営者から知財についてご相談を受ける際は、自社のビジネスモデルを特許として保護できないか?という内容がとても多いです。
特許になるアイデアというのは、「複雑なアルゴリズム」ではなく、「新しい発想」なのです。ただ、このようにご説明しても、実際のイメージが掴み辛いと思います。そこで、当ブログでは、不定期ではありますが優れたビジネスモデル特許を紹介していこうと思います。
「え?こんなのも特許になっているの?」
「自分のアイデアも特許になるかも?」
と思っていただければ幸いです。
特許第6694200号(株式会社ハロー)
【特許使用の製品/サービスの有無】
オートリザーブ(サイト)にて実施していると思われます。また、アプリもリリースしているようです。
【請求項1】
店舗名、電話番号、予約サイトのアドレス、予約受付情報を有する店舗情報を記憶する店舗情報記憶部と、前記店舗情報記憶部に記憶されている予約サイトのアドレスに基づいて、前記予約サイトから予約受付情報を抽出し、前記店舗情報記憶部へ予約受付情報を記憶させる予約受付情報抽出部と、
前記店舗情報記憶部に記憶された予約受付情報に基づいて、ユーザ端末に入力された少なくとも日時、人数で予約可能な店舗を前記ユーザ端末へ一覧表示させる予約処理部と、
前記ユーザ端末から予約を希望する複数の店舗及び予約条件を含む予約希望リストを受け付けるリスト受付手段と、
を有し前記予約処理部は、
前記予約希望リストを受け付けると、予約希望上位の店舗から順に、予約サイトに接続して予約処理を行い、一つの店舗の予約が確定した時点で予約処理を終了する、店舗予約装置。
コメント:
AIによる、電話予約代行のようなサービスとして展開しているようですが、発明にはAI関連の記載はなく処理の流れを特許化しているのが特徴です。但し、請求項1を見ると、電話予約ではなく、まずは予約サイトで予約を試みて、予約サイトで予約できない場合はAIによる電話予約を行う(下位請求項)という権利で登録となっています。ユーザの希望順に予約を試みて、予約できたところで処理を終了という権利とした方が広い権利となったかもしれません。