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【スタートアップのためのビジネスモデル特許図鑑18】~行政のIT化(Gov Tech)~

 スタートアップ企業は、ソリューションを提供する領域において、知財を用いて事業にドライブをかけることが必要です。実際、スタートアップ企業の経営者から知財についてご相談を受ける際は、自社のビジネスモデルを特許として保護できないか?という内容がとても多いです。

 特許になるアイデアというのは、「複雑なアルゴリズム」ではなく、「新しい発想」なのです。ただ、このようにご説明しても、実際のイメージが掴み辛いと思います。そこで、当ブログでは、不定期ではありますが優れたビジネスモデル特許を紹介していこうと思います。

「え?こんなのも特許になっているの?」

「自分のアイデアも特許になるかも?」

 と思っていただければ幸いです。

特許第664775号(富士通株式会社)

【発明のポイント】

 転出証明書をOCRスキャンし、住民記録システムに登録し、住民記録システムに基づく情報に基づいて住民移動届を出力する。

(OCR情報をそのまま住民移動届に転記するのではなく、住民登録システムに登録された情報をもとに移動届を出力する)

公報リンク

特許第6641775 図2

 【特許使用の製品/サービスの有無】

 実施の有無は不明です。

【請求項1】
  住民の少なくとも旧住所および新住所が記載された転出証明書のスキャン画像を受け付け、
  受け付けた前記スキャン画像に対して文字認識を行って前記転出証明書に記述された文字をテキスト化したテキストデータを生成し、
  前記スキャン画像又は前記テキストデータに基づく住民記録システムへの前記住民の登録の完了に応じて、前記住民記録システムに登録された前記住民の情報に基づく前記住民の少なくとも旧住所および新住所の情報を含む住民異動届の画像データを生成し、
  前記画像データを出力する、
  処理をコンピュータが実行することを特徴とする支援方法。

コメント:

 行政のデジタル化が叫ばれる中、システム大手はしっかりと特許でアイデアを守っています。出願時は、転出届をOCRして異動届を出力するという構成で出願していましたが、拒絶を受けています。拒絶の対応として、住民記録システムに登録し、登録した情報を用いて移動届を出力する点で権利化しています。OCR情報を直接用いるのではなく、別のデータを用いることでデータの正確性を高めるという、正確性を求められる行政の枠にうまく合わせて特許を取得している印象です。

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