【スタートアップのためのビジネスモデル特許図鑑3】~オンライン飲み会~
スタートアップ企業は、ソリューションを提供する領域において、知財を用いて事業にドライブをかけることが必要です。実際、スタートアップ企業の経営者から知財についてご相談を受ける際は、自社のビジネスモデルを特許として保護できないか?という内容がとても多いです。
特許になるアイデアというのは、「複雑なアルゴリズム」ではなく、「新しい発想」なのです。ただ、このようにご説明しても、実際のイメージが掴み辛いと思います。そこで、当ブログでは、不定期ではありますが優れたビジネスモデル特許を紹介していこうと思います。
「え?こんなのも特許になっているの?」
「自分のアイデアも特許になるかも?」
と思っていただければ幸いです。
特許第6677852号(東京瓦斯株式会社)
【特許使用の製品/サービスの有無】不明
【請求項1】
互いに遠隔にいる少なくとも第1の参加者と第2の参加者とが映像および音声の通信を用いて会話をしながら飲食を行うイベントの参加者の情報と当該イベントの実施時間の情報とを受け付ける受付手段と、
前記参加者の場所に関する位置情報を取得する取得手段と、
前記位置情報および前記実施時間の情報に基づいて、前記第1の参加者に料理を提供可能な第1の店舗と前記第2の参加者に料理を提供可能な第2の店舗とを提示する提示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
コメント:
2019年の11月という新型コロナウィルスの影響が大きくない時期にこのようなビジネスモデルを特許出願しています。下位の請求項では、共通する料理(中華料理や和食等)が提供できる店舗を提示したりと、オンライン飲み会を盛り上げる点についても特許化されています。出願人が東京瓦斯ということで開発中のサービスから出たアイデアではなく、あったらいいなというアイデアを特許として具現化した例と言えます。特許は先願主義(早いもの勝ち)ですので、アイデアを思いついたら、開発よりも先に特許出願という戦略も必要だったりします。