【スタートアップのためのビジネスモデル特許図鑑15】~接客必要性の検知~
スタートアップ企業は、ソリューションを提供する領域において、知財を用いて事業にドライブをかけることが必要です。実際、スタートアップ企業の経営者から知財についてご相談を受ける際は、自社のビジネスモデルを特許として保護できないか?という内容がとても多いです。
特許になるアイデアというのは、「複雑なアルゴリズム」ではなく、「新しい発想」なのです。ただ、このようにご説明しても、実際のイメージが掴み辛いと思います。そこで、当ブログでは、不定期ではありますが優れたビジネスモデル特許を紹介していこうと思います。
「え?こんなのも特許になっているの?」
「自分のアイデアも特許になるかも?」
と思っていただければ幸いです。
特許第6707940号(富士ゼロックス株式会社)
【特許使用の製品/サービスの有無】
不明。
【請求項1】
店舗に居る客の顔の向きを検出する向き検出部と、
少なくとも、検出された前記顔の向きの時間的な変化に基づいて、前記客が接客行為を必要としていることを示す心理状態を推定する推定部と、
推定された前記心理状態に基づいて、前記客に対する前記接客行為を案内する案内情報を出力する出力部と
を備える情報処理装置。
コメント:
とてもシンプルな発明です。レストランやスーパーでの利用を想定していますが、無人店舗でも利用可能な発明です。withコロナの時代は、店員と客とのソーシャルディスタンス確保も必要となります。その場合に、客が店員さんを呼びづらいという課題がありましたが、本発明を利用すれば解消されると考えます。また、このような発明だとどうしても、「AI(機械学習)が~」と捉えがちですが、本発明のようにシンプルにパラメータを特定して特許を取ることを検討すべきと考えます。
おまけ:似たようなサービスを開発している企業をニュースで見た気がします。この特許の存在を知っているのかが気になるところです。