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お菓子屋さんの知財活用

 名鉄瀬戸線の尼ケ坂駅に今春オープンしたSAKUMACHI商店街。名鉄の高架下を利用した商店街にはカフェや保育所などが軒を連ねています。その一角にこれまでないコンセプトの駄菓子屋さんはいつも子供たちの楽しそうな声で賑わっています。駄菓子屋さんの名前は、「OKASHI TABETAI(おかしたべたい)」(公式サイトリンク)です。これまでの駄菓子屋さんの常識を覆す”おしゃれでかわいい駄菓子屋さん”を目指したブランド戦略を取っています。店内は子供が楽しめる仕掛けだけでなく、名古屋では普段出会えない全国の銘菓・駄菓子が不定期で入荷され大人も楽しめるお店作りをしています。

 そんな新しいコンセプトの駄菓子屋を仕掛けたのは、名古屋市に本社を構える2016年創業のスタートアップ企業である、KA-KUN LAND合同会社さんです。名古屋の地域密着型の菓子総合卸である株式会社寿美屋さんの菓子ブランドとしてスタートし、その後オリジナルブランドのお菓子のヒットを機に分社化し、お菓子事業にとどまらない事業を展開しています。社長の大橋一慶氏は、「楽しいをカタチに」「幸せをミライに」をコンセプトに次々と事業のアイデアを形にしていっています。

知財でブランド保護

 同社では新事業を始める際に、必ず商標権の調査を行っているそうです。「せっかく育てたブランドが万が一他人の商標権を侵害していた場合、そのブランドを使うことが出来なくなります。そうであるならば、商標権の調査は事業開始前に完了しておくべきと考えています」と大橋社長はおっしゃっています。また、事業を拡大する上でフランチャイジーになる場合についても、提携先の知財の状況を調べているそうです。

 もちろん商標登録出願もしており、ブランドの育て方に応じて早期審査制度を活用しています。商標登録出願の審査期間は約12か月かかります。つまり、商標登録出願をしてから12か月はその出願が登録できるのかが明らかでないということです。この12か月の不確定期間は大きく伸ばしていこうと考えるブランドについては長すぎます。そこで、そのようなブランドの場合は約2カ月で特許庁が審査をしてくれる早期審査制度を活用しています。逆にブランドが育つか不確定なものについては、審査期間の12か月の間に事業の成長に合わせて登録するか否かを判断することで知財に関する費用を調整しています。

弁理士を有効活用

 このような事業の構想段階の調査や、出願・審査タイミングの調整等行うため、弁理士と顧問契約を締結し、戦略的な知財活動をしているそうです。弁理士側としても、都度相談を受けるでは事業全体を把握した知財戦略の提案をすることが難しいため、このように経営者と弁理士が二人三脚で事業を進めていくことが重要だと考えています。最近では弁理士を顧問にする企業も増えてきました。知財の専門家が社内にいない場合には、顧問弁理士は心強い助っ人となってくるのはないでしょうか。

知財でビジネスを成功に導く

 他者との差別化を図り、自身の名物を作ることが出来る知財のチカラ。知財のチカラを利用し、ビジネスを成功に導くお手伝いをするのが弁理士の仕事です。商品開発や商品名の決定の際など、お気軽に「あなたの知財部」にご相談ください。

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