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名古屋の弁理士がスタートアップ・ベンチャーの知財戦略を解説第4回(ランサーズ株式会社編)

 地元名古屋でスタートアップの機運を高めようと、奮闘している弁理士の佐藤です。スタートアップの創業者の方とお話していると、皆さん知的財産についてよく勉強されており、その効果や怖さみたいなものは理解されている方が多いです。

 しかし、実際に「知財を使ってどのようにビジネスを上手く進めるのか」という点についてはアイデアをお持ちでないことが多いように思います。もちろん、ビジネスの方向やビジネスの種類によって知財の関り方は大きく異なり、一概にどのように知財を活用すればビジネスが有利になるかということを語ることは出来ません。

 そこで、これまでに成功しているスタートアップ・ベンチャー企業の知財戦略を公開情報から読み解くことで類似の業態の知財戦略に触れていただくべく、この弁理士による知財戦略を解説シリーズを始めてみたいと思います。今回は第4回目です。

ランサーズ株式会社の選定理由

 4回目に知財戦略をご紹介するのは、ランサーズ株式会社さんです。4回目の企業としてランサーズ株式会社さんを選定させていただいた理由は、フリーランスとして働く上で重要となるクライアントとフリーランスを繋ぐプラットフォームを運営している企業だからです。自分自身も大手企業を退職し、半ばフリーランスとして働いており、このようなプラットフォームを提供している企業に感謝しています。更に、専門知識が必要な業務と専門家をマッチングすることの重要性は今後も高まり続けると考えています。

ランサーズ株式会社の基本情報

名称 ランサーズ株式会社
設立 2008年4月
識別番号(特許庁付与) 510073567
特許出願件数 2件 (拒絶確定:0件、係属中:0件)
特許権保有数 0件
商標出願件数 14件(拒絶確定:4件、係属中:1件)
商標権保有数 9件

※2019年7月17日現在 

 ランサーズ株式会社は上記のように、商標出願はしっかりと行っていることが分かります。一方で特許出願は2件に留まっています。これら2件はともに特許権が成立しています。特徴的なのは、これら2件の特許権はランサーズとして出願した後に、Glossam株式会社に2018年に移転登録しています。

ランサーズ株式会社の特許戦略

 上述した通り、ランサーズ株式会社は特許出願した後に別の会社に特許権を移転しています。その結果、保有特許権は現在ゼロという状況です。業務とフリーランスのマッチングの促進に関する技術や、業務のアウトプットに対する評価技術、依頼業務内容を解析し、最適な依頼方法を提案する等で特許出願は可能と思われます。特許出願により利便性を高める技術を保護し、一番のプラットフォームになる戦略をとっているかと考えていましたが、少し意外な結果となりました。

 Glossam株式会社へ譲渡した特許権は、特許第6042018号と特許5988345号の2件です。これらはともにウェブサイトの訪問者情報を解析し、ライター評価やメディア評価を行うものです。ランサーズの主力事業であるマッチングに関する特許権ではないので、譲渡理由は現時点ではよく分かりませんが、本業であるビジネスマッチングと関係ない技術については、Glossam株式会社に移転したのかもしれません。

ランサーズ株式会社の商標戦略

 商標出願については、2010年3月にランサーズというサービス名について出願がなされています。wikipediaによるとランサーズという名称でのサービス開始は2008年のようですので、出願までのタイムラグが少し長い印象です(約1年強のタイムラグ)。その間に第三者に商標権を取得されていたら、今頃はLancersというサービスは現在の地位を築いていない可能性がありました。その後、2012年5月に社名をランサーズに変更しています。それに関連して商標の指定区分の見直しをしていると想定され、出願を2013年10月に「ランサーズ」と「中世の騎士のようなロゴ」を出願しています。やはり商標登録出願のタイミングとして、少し遅いのが気になります。

 ランサーズ株式会社では、「Lancers○○」という名称で複数のサービスを提供しています。例えば、「Lancers Pro」「Lancers Outsourcing」といったものです。このようにすでに商標権を取得した「Lancers」という名前に一般名称をつけることで、他人の商標権に抵触するリスクを低下させる戦略をとっているのだと推測されます。

※上記は公開情報を用いた個人的な推測であり、掲載企業の実際の知財戦略とかけ離れている場合がございます。特許移転に関してLancers⇒Glossamという方向に記事を修正しました。

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