明細書の品質って何?
弁理士に発明を相談し、出願を依頼すると下記の書類を成果物として受領することになります。
1.願書
2.明細書
3.特許請求の範囲
4.図面
5.要約
依頼者は、これらの書類をよく読み、内容に間違いがないか、意図した内容になっているのか、すなわち「明細書の品質」をチェックする必要があります。
品質のチェックはとても難しい
特許出願の書類のチェックは、願書のように書誌的な事項(氏名や住所等)をチェックすればよいものと、明細書や特許請求の範囲のように発明の権利範囲に大きく影響する内容的な事項をチェックしなくてはいけないものの2種類に大きく分けられます。
この際、チェックに慣れていない人は、弁理士の書いた書類を見て
「おぉ、自分の発明を特許にするとこういう風になるのかぁ。いろいろと書いてあって良く分からないけど、このままでいいかな」
となってしまいます。実際には、特許請求の範囲に使われている用語は適切か、不要に発明の権利範囲を狭めていないか、PL上問題ない表現になっているのか、従来技術の設定は適切か、課題の設定は適切か、課題と効果とのつながりは適切か、等々、多くの項目をチェックして修正をしていく必要があります。
大企業が技術管理部でなく、知的財産部を持つ理由
大企業が技術管理部ではなく、知的財産部というプロの知財組織を持つ理由は明確です。特許事務所から納品された、出願書類については上記のようにチェックが不可欠であり、そのチェックにはプロの知財部の力が欠かせないからです。また、複数の目で一つの発明を視ることにより、更によい権利として昇華させていくことが出来ます。
また、知的財産部では他社との交渉や訴訟を通して「争いになるポイント」を特許事務所よりも多く知っているため、争いになりやすいポイントを事前にチェックし、争いが起きないように修正することが出来ます。これらのプロセスを経てよい品質の明細書を作ることができるのです。
このように、特許事務所に依頼して終わりではなく、知的財産部と特許事務所が連携してより良い権利を取得することができるのが大企業の強みとなっています。
スタートアップ・中小企業には知的財産部機能が必要
年間1000件以上出願する大企業ですら、1件1件の明細書のチェックに時間をかけています。そのような大企業を相手に独自の技術やサービスで勝負をかけるスタートアップ・中小企業は彼らよりも更に詳細に明細書のチェックを行うことが必要です。例えば、年間3件の出願だとすれば、この3件を複数の視点からブラッシュアップすべきです。
知財部なんて、うちには無いよ
スタートアップ、中小企業、個人事業主のほとんどの方は知財部をお持ちではありません。
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